※本記事は2025年5月28日に配信された米国本社記事の抄訳です。
原文はこちらをご参照ください。
nSight 2025では、金融業界の最前線で活躍するプロフェッショナルがノースカロライナ州シャーロットに集結し、3日間にわたってイノベーション、ネットワーキング、そして業界の未来について議論が交わされました。nCinoの役員やお客様が登壇し、業界の進化とnCinoが果たす役割について多角的に語られました。
以下は、今年のイベントで特に注目された5つの主要テーマです。
1. クラウドバンキングからAIバンキングへの進化
オープニングの基調講演で、CEOのショーン・デズモンドはnCinoが「クラウドバンキングのリーダー」から「AIバンキングのリーダー」へと進化することを宣言しました。これは、クラウドの統合銀行業務プラットフォームで築いた基盤を活かしながら、AIの可能性を最大限に活用するという戦略的な転換です。
「今後バーティカルAIの分野では、少数の勝者が抜きん出るでしょう。その勝者は、銀行業に深く根ざし、豊富なデータを持ち、AIをビジネスモデルに組み込める企業です。」
デズモンドは、AIが人間の専門性を置き換えるのではなく、むしろそれを強化する存在であると強調しました。
2. AI戦略の中核「Banking Advisor」と3つの柱
nCinoのAI戦略は、「エージェント」「API」「Banking Advisor」の3つの柱で構成されています。中でも「Banking Advisor」は、金融機関向けに特化した生成AIツールとして注目を集めています。
昨年発表された2つの機能に加え、現在では18の機能を搭載。リスク評価や書類確認など、従来多大な時間がかかっていた業務を数分で完了できるようになりました。
ウェルズ・ファーゴのマネージングディレクター、メイナード・アーナー氏も、Banking Advisorの導入によって業務効率と意思決定の質が大きく向上したと語っています。
3. 最も貴重な資産は「時間」
イベントを通じて繰り返し語られたのは、「AIの最大の価値は時間を生み出すこと」というメッセージでした。最高製品責任者のクリス・ガフォードは以下のように言及しています。
「今の時代、顧客はスピードを期待するだけでなく、それを当然と考えています」
nCinoのプラットフォームは、以下のような大幅な時間短縮を実現しています:
- 個人口座開設:30分以上→15分未満
- 中小企業向け融資:処理時間62%短縮
- 住宅ローンの書類処理時間:74%短縮
この「時間の配当」は、銀行員が本来の業務であるお客様との関係構築に集中できる環境を生み出します。
4. オムニチャネルプラットフォームの成熟
nCinoのオムニチャネル戦略も、今年のnSightで大きな注目を集めました。デジタルでも対面でも一貫した顧客体験を提供できる統合プラットフォームが、各行で成果を上げています。
サンフラワー銀行、グレート・サザン銀行、クォーラム連邦信用組合などの導入事例では、業務効率の向上とコンプライアンスの両立が実現されていることが紹介されました。
5. 変革はすでに始まっている
最後に強調されたのは、「AIによる変革は未来の話ではなく、すでに始まっている」という事実です。業界革新責任者のアンソニー・モリスは下記のように述べています。
「今ほどテクノロジーや銀行業界にとってワクワクする時代はありません」
nCinoはAIの未来の可能性を語るだけでなく、すでに実用可能なソリューションを提供しています。財務分析や申請審査など、AIが既存の業務プラットフォームの中に自然に組み込まれ、「よりスマートで直感的なnCino」へと進化しています。
nSight 2025では、ご参加者様にすぐに活用できる実践的なソリューションと、未来に向けた明確なビジョンをお持ち帰り頂けたものと思います。
次回のnSight 2026は2026年5月12日〜14日に再びシャーロットで開催予定です。今後1年間の進化を楽しみにしています!