ブログ

コラム

アースデイ2022:持続可能な未来に向けた金融の力

【本記事は、2022年4月22日米国本社プレスリリースの抄訳です】

2022年のアースデイにあたり、持続可能な未来に向けた私たちの地球規模の取り組みについて考えるとき、環境と社会の変化を推進する金融機関の貢献は非常に大きいです。

今年のアースデイのテーマは「Invest in Our Planet~私たちの惑星に投資を~」です。金融機関がESG投融資を推進する方法について考えていきます。

1970年に第1回アースデイが開催された当時は、金融を活用して環境と社会の問題解決を実現しようという考える人は少数でした。それから50年以上経った今、金融は私たちが持続可能な未来に移行するための鍵であり、投資家や金融機関は持続可能で責任ある活動に多額の資金を投じています。また銀行は「PRB(責任銀行原則)」によって、すでに47兆ドルの資金調達に取り組んでいます。

現在のこの世界的な潮流とコミットメントにも関わらず、地球にとって必要な変化に到達するためにはさらなる取り組みが必要です。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の気候変動緩和に関する報告書によると、気候変動の最も悪い影響を抑えるためには、今後10年間で1.6~3.6兆ドルの年間投資が必要であると試算されており、金融機関は極めて重要な役割を担っています。今私たちに必要なのは、金融の変革を実現するための行動を加速するためにテクノロジーやデータの活用を行うことです。

規制の役割

投融資の判断にサステナビリティを組み込むためには、政府による規制が必要です。この2年間で、情報開示の義務化、ESGストレステスト、ポートフォリオのモニタリングの要件といった、様々な規制を提案・制定する国が増加しています。

政策立案者が制定した初期の例は、EUの持続可能な金融行動計画(SFAP)です。SFAPは欧州グリーン・ディールを支援するため、EU全域の銀行、保険会社、資産運用会社に対し、EUタクソノミー規制を含む一連のツールやリソースを提供しています。その目的は、より多くの資本をサステナブル投資に振り向け、サステナビリティリスクを投資判断の指標として組み込み、企業を長期的な視点で評価をすることです。

現在、イギリスとドイツがESGをリードしています。イギリスでは、グリーン・テクニカル・アドバイザリー・グループ(GTAG)が、グリーンウォッシングへの対策として、投資家や消費者が企業が環境に与える影響を理解しやすくするために「グリーンタクソノミー」を導入しており、ドイツの規制当局BaFinは、銀行に融資ポートフォリオの75%をサステナブルな企業とするよう求める規制案を発表しています。

この状況は急速に変化しており、様々な報告の枠組みや分類法が出現している中で、金融機関が変化に迅速に対応し続けるのは困難です。世界的には、サステナビリティに関する報告はまだほとんどが任意となっていますが、近い将来状況は変化すると考えられます。政策立案者はすでに、ヨーロッパ、米国、カナダで報告が義務化される日を設定しています。報告が義務化されれば、企業は正確なデータを提供しなければならなくなり、それはサステナブルファイナンス成長のために不可欠なものとなります。

データが鍵

希少な地球の資源を守るためには、潤沢な資源であるデータを活用する必要があります。データは、気候変動ファイナンスをデジタルで支えるプラットフォームの根幹であり、サステナブルファイナンスの機会を増やすには、高品質で比較可能なESGデータへのアクセスが不可欠です。気候変動ファイナンスの意思決定のベンチマークとなるデータの活用により、プロセスの標準化、信頼性と透明性の向上、重複作業の削減、報告の強化を実現することができます。

金融機関がESG関連データの記録、報告、行動を開始する方法は定まっていないため、どのようなデータが利用可能で関連性があり、どのようにそのデータを取得すべきかを理解するのに苦労してきました。これを理解することは、内部でのESGの取り組みだけでなく、外部のステークホルダーとの透明性を確保するためにも不可欠なことです。nCinoプラットフォームでは顧客や融資に関わるデータを柔軟に分析することができます。

nCinoのクラウド型統合融資プラットフォームは、柔軟性と拡張性が高く変化の速い金融機関のニーズに迅速に対応することが可能です。例えば欧州銀行の事例では、融資業務にESG基準を取り入れたいという場合に簡単に項目追加を行うことで迅速に対応することができました。更にこのデータを蓄積・分析することで、金融機関はサステナビリティのリスクや改善のために顧客企業と会話することが可能になり、顧客との関係性や提供価値を向上させることができます。

金融機関が「私たちの惑星に投資」する方法を模索する中で、当社もテクノロジーの観点から金融機関のサステナビリティの目標達成を支援していきます。

米国本社プレスリリースはこちらをご参照ください。
https://www.ncino.com/news/earth-day-2022-mobilising-finance-towards-a-sustainable-future/